脂性肌の原因とトラブルを知ろう

脂性肌でも乾燥している場合も

どうも乾燥肌の対極に位置するのが脂性肌と誤解してしまいそうですが、実はそうではありません。脂性肌は、簡単に言ってしまうと「何らかの原因で皮脂の分泌が過剰になっている肌」の事です。一方、肌の水分量が低下(30%以下)している肌を「乾燥肌」といいますが、脂性肌でも乾燥しているケースがあり、そういったケースを最近では特に「脂性乾燥肌(オイリードライ肌)」といったりもします。脂性肌に長年悩んでいる方の中にはこの「乾燥」が見落とされている場合があるので、注意が必要です

脂性肌のメカニズム

脂性肌のメカニズムを簡単にご紹介します。脂性肌とは、皮脂の分泌が過剰になっている肌のことですが、この皮脂の分泌を司っているのが男性ホルモンの一種「テストステロン」やステロイドの一種「アンドロゲン」です。これらのホルモンは、皮脂腺を増やしたり、皮脂を合成したりと、皮脂腺の分泌活性を高める役割を担っています。しかし、ストレスや生活習慣、遺伝的要因などにより分泌が過剰になると、それにより皮脂の分泌も過剰になり、結果的に脂性肌になってしまうと考えられます。これらのホルモンが分泌されるピークは思春期と、30代前半殻40代にかけての二度あり、これらの時期は脂性肌になりやすい時期といえます。特に思春期に脂性肌の傾向の強い女性では、アンドロゲンの影響で40歳くらいまで脂性肌の肌質が続きやすいといわれます。また、ホルモンとは別に、遺伝的に皮脂腺が大きいケースや、加齢によって毛穴が開き皮脂が出やすくなっているケースでも、脂性肌になりやすいようです。

肌トラブルその①~テカテカ肌~

自分は脂性肌だと自覚するきっかけにもなった最初のトラブルが「肌のテカリ」や「ギラつき」、「ベトベト感」という方は多いのではないでしょうか。特に思春期の肌ではホルモンバランスの乱れとともに、急激に男性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂の分泌が過剰になりやすい時期です。そして新陳代謝も活発なため、洗顔が不十分で皮脂や汚れを肌に蓄積してしまうケースが多いようです。男女を問わず10代のこの時期に、適切なスキンケアを知っているのと知らないのとではその後の肌の状態も大きく違ってきます。この時期に始まったトラブルを、解決できないまま引きずっていると他のトラブルへ発展しかねません。

肌トラブルその②~ニキビ~

ニキビは、アクネ桿菌という細菌が、肌表面や毛穴に溜まった皮脂を栄養にして、異常増殖している状態です。アクネ桿菌自体は、正常な肌にも存在しますが、脂性肌ではアクネ桿菌がはびこりやすい環境になりがちです。10代のニキビを「思春期ニキビ」と呼び、原因は主に成長期のホルモンバランスの乱れで、多くは時間がたてば自然に落ち着いてきます。それ以降のニキビを「大人ニキビ」と呼び、原因はホルモンバランスの乱れの他にもさまざまで、一筋縄では治りにくいのが特徴です。また、色によって「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」とも呼ばれます。白ニキビはニキビの初期段階で、毛穴が皮脂などで詰まった状態ですが、まだ炎症は起こしていません。この段階で解消できると後も残らずいいのですが・・・。
そして黒ニキビは、白ニキビの次の段階で、皮脂などで詰まった毛穴が表面に出てきて、入り口付近に溜まった皮脂が酸化され、黒ずんで見えている状態です。赤ニキビは、内部に皮脂の塊が閉じ込められていて、痛みを伴うことも多く、炎症を起こしています。触ったり、潰したりしない方がよいですが。潰れてしまった場合は、まず手をきれいに洗い、出てきた汁を除去したらニキビあとを消毒し、ワセリンなどでふさぐとよいと思います。出てくる汁は、芯(皮脂の塊)と滲出液、アクネ桿菌が含まれています。

肌トラブルその③~毛穴の黒ずみ~

毛穴の黒ずみも、脂性肌の方にはごくごくスタンダードかつ根深いトラブルです。黒ずみの正体は、黒ニキビと同様、毛穴に溜まった皮脂や汚れが酸化して黒っぽくなっているものです。
そして一度いちご鼻になってしまうと、ピーリングや、洗顔で毛穴をきれいにしたとしても、広がった毛穴が黒ずみを蓄えるのは時間の問題です。よって、毛穴の黒ずみのケアには、肌にハリを持たせ、毛穴を引き締める・・・つまりは黒ずみを消すことに固執せず、肌全体のことを考えたケアが大切です。