しみ・そばかすができるメカニズム

しみ・そばかすができるメカニズム

メラニンを排出できないとしみとなって出てくる!

ひと口にしみといっても、いくつか種類があり、それぞれ原因も異なります。しみの原因であるメラニンは、色素細胞の中でチロシンというアミノ酸から生成されます。紫外線により角化細胞(ケラチノサイト)に異常が起こると、色素細胞に「メラニンを作りなさい」という命令が出続け、過剰にメラニンが作り出されるのです。またホルモンは直接、色素細胞にメラニンを多く作らせます。本来は通常の皮脂のターンオーバーをによって角質とともに垢として排出されるメラニンですが、過剰に作り出されると、ターンオーバーとともに排出しきれずに残ってしまい、これがしみとなるのです。また、ターンオーバーの乱れも排出できない理由の一で、加齢に加え、紫外線、ナイロンタオルによる摩擦などの物理的刺激やストレス、ホルモンバランスの乱れなどの内的要因によることもあります。

しみの種類と原因しみにはいくつかの種類があり、
原因はもとよりそれぞれの形状、出る場所、治療法も異なります。

肝斑(かんぱん)

頬骨や鼻の下、額に左右対称に出る濃淡の均一なしみ。30~40代女性によく見られ、閉経とともに薄くなり、60~70歳で消えるので、女性ホルモンが関係しているといわれています。また、妊娠中やピルの服用中にも出現しやすくなります。

老人性色素班

しみの中でも最も多いのは、紫外線が原因。頬骨の高いところやこめかみにできやすく、数ミリ~数10ミリほどの大きさの平坦で丸い色素班であることが多いです。

雀卵斑(そばかす)

そばかすは遺伝が影響!小さい斑点が鼻を中心に顔全体に散らばったように出るそばかす。遺伝的なもので、小学生頃からでるのが普通です。米粒大までの不規則な形で、色は灰褐色。成長とともに増えたり、紫外線の影響で濃くなったりすることもあります。

脂漏(しろう)性角化症

イボ状に盛り上がった状態のしみ。しみの角化が進み、隆起したもので、手の甲に出るケースも多い。美白化粧品では効果がなく、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で薄く削り取ったり、色素レーザーを強く照射したりして治療します。

肝斑(かんぱん)ケア方法

頬骨の辺りや額にできやすく、もやもやとしたしみが左右対称に広がるのが、肝斑の特徴。ほかの種類のしみと合併していることが多く、治療は一筋縄ではいきません。セルフケアとしては、悪化や再発の因子となる紫外線対策をしっかりと行い、こするなどの刺激を極力避けて、なるべくメラニンを生成させない、沈着させない努力をしましょう。美白化粧品にようるスキンケアはおススメですが、早く改善させようと思ってすり込んだり、強くマッサージしたりすることにより炎症を生じ、さらに濃くなることがありますので注意。食事ではメラニンの生成を抑制、還元する効果のあるビタミンCやビタミンEを含む食材をこまめに摂取するようにしましょう。活性酸素を排除する働きのある。抗酸化物質を多く含む食材(トマト、ベリー類、鮭など)もおススメです。

老人性色素班のケア方法

これまでに浴び続けた紫外線が原因して、時間の経過にともなって現れてくるものとされ、薄茶色で輪郭がはっきりとした類円形をしているのが特徴。一度でてしまうと自分では改善・治療が難しい症状です。防止するためには、日常的に紫外線対策をしっかりと行い、備えておくことが大切。また、長期戦を覚悟して美白化粧品にようるスキンケア、ビタミンC・Eの摂取をしていきましょう。なかなか改善が見られないときは、クリニックで行うレーザー照射や光治療なども可能です。

クリニックでのしみ治療

ここで紹介したしみは、レーザーや光治療、高濃度のケミカルピーリング、イオン導入などできれいにすることができます。ただし、未治療の肝班のみ、不用意なレーザー治療ではかえって濃くなってしまうことが多く、一般的にレーザー治療は禁忌とされています。経験豊富な医師の場合、診察の後、肝班でも照射可能な光治療やレーザートーニングなど、しみの種類によって適した治療法を提案してくれます。以上の治療法のほかに美白効果の高いハイドロキノンや高濃度ビタミンCピーリングの効果が高いレチノイン酸の外用薬、メラニンの生成を抑えるトランサミン、ビタミンC、ビタミンE、L-システインなどの内服薬も併用すると効果的です。