18アンタレスDCMD実釣インプレ。16アンタレスDCと比較してレビュー

シマノから2018年3月末に発売された新型ベイトリール「アンタレスDC MD」を実際にブラックバス釣りで使用した感想・レビュー。16アンタレスDCと比べてほんの少し重たいですがすぐに慣れます。重量級のビッグベイトはもちろん、軽いルアーやワームも全然飛ぶ!ヘビキャロには最適。

『18アンタレスDC MD』のインプレまとめ

  1. XGの快適さが凄い
  2. 重いルアーが快適かつ超ぶっ飛ぶ
  3. 軽いルアーも7g以上なら全然飛距離が出る
  4. XBモードは16アンタレスDCのXモードよりも実用的
  5. 使えば使うほど他のリールに戻れなくなる

『18アンタレスDC MD』は最強のベイトリール?

『18アンタレスDC MD』、買っちゃいました…。結論を言うと最高のベイトリールです。ただし、許容しないといけない部分もあります。そこを乗り越えれば18アンタレスDC MDを手放そうとは考えなくなるでしょう。

というわけで、16アンタレスDCや16アンタレスDC HGと比較しながら、18アンタレスDC MDをレビューしていきます。主に以下のタックルで18アンタレスDC MDを使用しました。

  • リール:18アンタレスDC MD XG
  • ロッド:ゾディアス 172H-2(適合ルアーウェイト:14~42g
  • ライン:クレハ(KUREHA) フロロマイスター 16lb、バークレイ ライン Trilene Z (トライリーンゼット) 20LB

デメリットをぶっちゃけて言う

16アンタレスDCよりも少し重い

18アンタレスDC MDの自重は235グラム、16アンタレスDCの自重は220グラムとなっています。差はたったの15グラムです。それほど違いが無いかと思いきや、キャストフィールが少し違います。明確ではないですが、16アンタレスDCの方がなんとなく投げていて気持ちいいのです。

例えば10〜20グラムのルアーを投げる場合は16アンタレスDCの方がしっくりときます。ところが、20グラム以上のルアーや30グラム以上あるビッグベイトとなってくると、18アンタレスDC MDとの違いがほとんど分からなくなります。これは恐らく、ルアー自体が重くなるとキャストフィールの多少の違いが分かりにくくなるからでしょう。

「16アンタレスDCの方が投げていて気持ちいいなら、18アンタレスDC MDなんていらないよね」という考えがよぎったりしましたが、それは間違いでした。

二回目以降の釣行からは18アンタレスDC MDの重さが全く気にならなくなるからです。人間とは凄いもので、多少の重さが追加されても、腕と手首が重さに慣れて上手にルアーをキャストするようになるんです。これには自分でもびっくりしました。

もちろん、18アンタレスDC MDを使って片手でオーバーヘッドキャストするのはちょっとキツいです…。しかし220グラムの16アンタレスDCでも片手のオーバーヘッドキャストは少しキツいレベル。

というか、220グラムを超えるベイトリールで片手でオーバーヘッドキャストするのはまずないので、実質的にあまり問題になりません。(が、慣れれば慣れるほど普通に片手でオーバーヘッドキャストをするようになってました

ただ、18アンタレスDC MDでビッグベイトをピッチングするのは全然余裕で可能でした。

XG(エキストラハイギア)に慣れるまで少し時間が必要

海の釣りではXGは全く問題ないかと思います。しかし、XGのベイトリールをブラックバスの釣りでバーサタイルに使うのはキツい…18アンタレスDC MDを買う前はそう思っていました。

しかしどうでしょう。XGでも全然バーサタイルに巻ける!それが率直な感想でした。

3mぐらい潜るクランクベイトも過剰な負担無く巻けます。また引き抵抗の強いルアーの場合は脇の下(二の腕あたり)にロッドを挟みながらリーリングすれば、腕と手首の負担をさらに減らせます。

軽いルアーを飛ばせる

18アンタレスDC MDで10〜20グラムの軽いルアーを投げる場合は、どんな感じになるのか予想がつくでしょうか。答えは「軽いルアーでも全然飛ぶ」です。

正直驚きました。「18アンタレスDC MD=ビッグベイト用リール」という先入観を持っていたからです。

例えばジャッカルのクランクベイト「マッシュボブ50MR」。9.5グラムですが全然飛びます。予想以上に。感覚的には16アンタレスDCとほぼ同じ距離。

秦拓馬プロデュースのダウズビドー90SPは10.7グラムあります。マッシュボブよりも20〜30%ほど飛距離が伸びます。

まぁダウズビドーは軽いルアーなのに飛ぶ方なので、飛距離が出て当然です。しかし少し無茶ですが、アノストシンカーを差し込んだ全自重7グラムほどのネコリグや、6.5インチのドライブクローラーを使用したインチワッキー、フリックシェイク4.8インチのジグヘッドワッキー(全自重7グラム)もある程度飛びます。

そうです。18アンタレスDC MDなのに超フィネスな釣りも可能なんです。

もちろん7グラムのワームやルアーが超ぶっ飛ぶわけではないですが、ロッドとリールを一つずつ持っていくなら18アンタレスDC MDは最高の選択肢になりえるでしょう。それくらい18アンタレスDC MDはバーサタイルです。

重いルアーやヘビキャロが16アンタレスDCよりもぶっ飛ぶ

正直、18アンタレスDC MDの方が16アンタレスDCよりも重たいルアーを飛ばせます。例えばビッグベイト。58グラムほどのジョインテッドクローや、2017年に話題となったエレメンツのダヴィンチ190は本当にぶっ飛びます。

何と言ってもヘビキャロですよ。ヘビキャロを投げると天国に行けます。それくらい気持ちよく飛ぶのです。

42グラムの浜キャロロケットをシンカーとして使用し、沖の方へと思いっきり投げる。XBモードの1番(メタルジグ用)を選択していれば、気持ちよく、そして快適にヘビキャロを投げ続けられます。最高です。

XBモードが超優秀

はっきり言って16アンタレスDCのXモードは微妙でした。なぜなら「全然使わない」から。

16アンタレスDCのXモードは順風時かつメタルバイブレーション、重量級のバイブレーション(ジャッカルのTN70トリゴン等)を投げる時しか使わないんですよね。

Xモードを使ったとしてもバックラッシュが多発…。バックラッシュで悲惨な状態になった糸を直すために時間を使うくらいなら、FモードかNMモードの1番に設定して投げまくった方がいい…となるわけです。

しかし18アンタレスDC MDの場合、各番号にそれぞれルアーの種類ごとにブレーキが調整されています。XBモードの優秀さに慣れてしまうと、むしろXBモードしか使わなくなります。

それくらいXBモードが優秀で、違和感なく使えるんです。XBモードで7番を選べば、S字系のビッグベイトであるジョイクロも、夜になっても逆風でも快適に飛ばせます。

ビッグベイトをとにかく飛ばしたい時はXBモードの5番・6番を選んであげるとXBモード7番と比べてさらに5〜10%ほど飛距離が伸びます。

バックラッシュ覚悟でビッグベイトを投げたい時はF・NMモードの2番で飛ばす時もあります。この場合、バックラッシュする頻度は明らかに16アンタレスDCよりも少ないです。

しかし基本的にXBモードの5〜7番でビッグベイトを投げることが多くなりました。なんせバックラッシュ知らずかつ飛距離も出て快適なんで。

ロングハンドル化の恩恵が意外と大きい

18アンタレスDC MDの場合、16アンタレスDCよりもハンドルが長くなっています。18アンタレスDC MDのハンドル長は45mm、16アンタレスDCは42mmです。

このロングハンドル化によって、18アンタレスDC MDのXGと16アンタレスDCのHGがほぼ同等の使い勝手になっているのです。ただ16アンタレスDC HGの方がまだスローリトリーブに向いている気もしますが、感覚的にはほとんど変わりません。「ロングハンドル化=ローギア化」という原則から見れば当然のことかもしれません。

どちらかと言えば18アンタレスDC MDの方がほんの少しだけ巻重りがする感じもします。しかしこれはほとんど誤差のようなもので、18アンタレスDC MDの巻き感に慣れれば、16アンタレスDC HGには戻りたくない気持ちになります。

リップ付きビッグベイトをゆっくり巻ける

これは意外でした。ノーマルギアの16アンタレスDCよりも、XGの18アンタレスDC MDの方が安定したデッドスローリトリーブが可能でした。

ワイドリップを付けたタイニークラッシュを巻いてみましたが、やはりXGでは巻重り感があります。しかし18アンタレスDC MDだとロングハンドル化されているおかげでじっくりゆっくり巻けますし、さらに巻重りのおかげでスローリトリーブで巻かざるを得ない状態になります。

ワイドリップ+タイニークラッシュを早巻きするのはさすがにキツいですが、スローリトリーブなら余裕です。

S字系ビッグベイトのアクションがキビキビになる

XGの恩恵はまだあります。S字系ビッグベイトのジャークアクションが、ノーマルギアと比べて目に見えて良くなります。

正直、HGと比べたらそれほど変わりません。ただXGなら、ジョイクロやダウズスイマーなどS字系ビッグベイトのジャークアクションを、リーリングだけで簡単かつ快適に発生させることが可能になります。

XGのルアー回収スピードがとてつもなく良い

フロッグ、ヘビキャロ、ジグ撃ちの回収など、XGならかなり効率的な釣りを展開できます。XGはルアー回収スピードがトップクラスに速いので。

しかしXGの恩恵は残念ながら最初は分からないものです。5回目くらいの釣行で「XGヤベェ…!」となるはずです。これに気付くと他のリールに戻れなくなります。

恐らく皆さんは「XGだとクランクとかを巻く時にリーリングが重くなりそうだし…」と思っているでしょうけど、XGによる巻重りは「慣れが解決します!」と断言しておきましょう。だってコレ、マジですから。

XGの18アンタレスDC MDの場合、巻重りによるデメリットよりもルアー回収スピードのメリットの方が圧倒的に大きいです。

HGのアンタレスDC MDが今後発売される可能性は無きにしもあらずという感じですが、HG版が発売されても私は絶対に買い替えはしないと思います。だってXGの特大すぎるメリットを知ってしまったのですから…。

その他、メリット・デメリットなどまとめ

  • 20lbのラインが100m巻けるので、ビッグベイトを投げる時の安心感が半端ない
  • 18アンタレスDC MDの重さは2回目以降の釣行ですぐ慣れる
  • 18アンタレスDC MDは軽いルアーも飛ばせるし、16アンタレスDCよりも重量級のビッグベイトやヘビキャロを遠く飛ばせる
  • 18アンタレスDC MDのXGの使い勝手は、16アンタレスDCのHGとほとんど変わらない
  • 軽いルアーのキャストフィールは16アンタレスDCの方がわずかに上
  • ビッグベイトやヘビキャロのキャストフィールは18アンタレスDC MDの方が格段に素晴らしい
  • パーミングの感触は16アンタレスDCと18アンタレスDC MD、どちらも全く同じ

18アンタレスDC MDは完全に16アンタレスDCの上位互換です。最初は16アンタレスDCの方がキャストフィールが良いような感じもしましたが、重たいルアーやヘビキャロをぶっ飛ばすなら18アンタレスDC MDの方が遥かに気持ちいいです。なぜなら本当にぶっ飛びますから。

一つ気に入らない点があるとすれば、それは18アンタレスDC MDのデザインです。ガンメタリックなのは悪くないんですが、ラメが入っているのが少々子供っぽいというか…。

が、持ってみたら持ってみたでけっこうカッコよく感じるのも事実。本当は16アンタレスDCのような銀色の鏡面仕上げの方が良かったですけど。

ちなみに私は楽天市場で18アンタレスDC MDを購入しました。普通の釣具店よりもポイントが多く付くので、実質的にはネットで買うのがお得かなと思います。アマゾンやYahooショッピングの方もすごく安くなっている時があるので、そちらも要チェックです。